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凪都の部屋


[121] 手袋
詩人:凪都 [投票][編集]


迷彩色が乱反射した様に
溶け込み混ざり判別不明。
アスファルトはグレー
見上げた空は灰色。
寒空を足早に行き交う。
視界を過ぎてくあのコートは
今年流行りの黒色コート
似たり寄ったりの背丈
誰がどこのどなたでしょう?


無くしたモノを探して
静かに視線はセメントを這う。
人の波に流され行方不明。

じんわり滲む右手をぎゅっと
ひんやり染みる左手でぎゅっと
同じ体温になっても
握りかえし続けます。

わかるトコロに
違いがないなら
判らないトコロは
同じであって欲しい。



2009/01/31 (Sat)

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