そこまで回らない頭が結果的に【優しい人】のレッテルを手に入れた胸に堂々と張れたもんじゃないがしかし棄てられず緩んだ涙腺を無視してこっそり懐へしまい込んでいたさよならとはにかんで手を振る一瞬にちらつく足元の伸びた黒さえ靴裏に潜んだ闇で染まる頃傾いた太陽は今日も暴けず不貞腐れて行った
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