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七緒の部屋


[3] おわれないよる
詩人:七緒 [投票][得票][編集]


綺麗な星が見えた夜は
少しだけ

愛してると言った事を
悔やまなければならない

言葉を出さず手を取るのね
小さな橋を渡って

いつも覗く
かがんだ泣きっ面はばからしい


赤い色に立ち止まる
緩んだ手の暖かさは
もう忘れてしまおう

笑おうと思った唇が愛しい
とっくにぼやけたやわからかい肌が
どうしようもなく綺麗だ

私たちは
どんなふうに
ふたり歩いて来たのだろう



あの瞬間の熱に
すべてを感じている

雨が降ればいい
綺麗な空は少し悲しいから、
そんな事を理由に
泣いているのなら

あなたの胸を締め付ける理由もきっとなかったのに


撫ぜた髪は熱を持っている
涙が乾いたら
まだ少し歩けたかもしれない



綺麗な星が見えた夜は
少しだけ かなしくなるから

ひとつには なれないから







2011/12/29 (Thu)

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