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サエの部屋


[15] はぐれたピアス
詩人:サエ [投票][編集]


久々でもかまうことなく
わたしを抱きしめる腕に迷いはない

会いたかったと
抱きしめながらあなたが溢した

ねぇ
よっぽどわたしの方が逢いたかった

全部欲しいと
瞳をとじてあなたが漏らした

ねぇ
とっくにわたしの全てを拐っていった

時計の針は
あなたとわたしのときばかり
やたら早足で
どれだけ願っても
止まってさえくれない

あなたの感覚を反芻しては
乱れた心を押さえつけ
あなたの声にさぇ反応する
冷えた身体を縮こませ
あと幾ら刻が経てばと
ひたすら画面に訴えかける

あなたをひととき手にする為に
ピアスを片方なくしたみたい

2020/03/07 (Sat)

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