そんな気ないのにこれでラストと嘘をつくあなたがわたしに火をつけてわたしがあなたを抱きしめてふたり一緒に染まってく静かな炎は赤くなり煙りを吐いては息苦しい激しい熱で唸りをあげてどんどん深く堕ちていく満ちかけた月も見えない場所で誰にも知られず燃えていく最後の残り火で照らされたあなたの穏やかな一瞬を切ない炎の残り火をわたしだけが知っている
[前頁] [サエの部屋] [次頁]