滴のように
拳を下ろして
ゆっくりと開けば
五本の指を伝って
いくつもの気持ちが
こぼれてきたよ
"優しい記憶が明日の邪魔をする"
なんて思っていたから
つまずいた足下
痛む傷口さえ
見ないようにして
走り出していた
薄く文字を書くように
曖昧で冴えない
日々を歩いている
僕らは残してきたよね
キャンバスに色濃く
ぶつけていた
もしも まだ今でも
君の心の奥深くで
幼い僕が泣いているなら
「さよなら」でもいい
一言だけでもいい
聞いたなら
泣きやんで
空へ帰って行くから
2011/06/04 (Sat)