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しゅんすけの部屋


[437] 公園
詩人:しゅんすけ [投票][得票][編集]

女が
顔面に海溝の様な皺を幾つも刻み
汚い指先で吸い殻を摘む

私は
卑しげな顔を向けながら
摘んだものが吸い殻と書かれたバケツの中に
放り込まれるのを見ていた

あたり一面の吸い殻が浚われる
半時間も続いた頃には
まるで初めからそうあったかの様に
整然としていた

女は
塵のないバケツの横に腰を下ろし
所々皮が剥げた合皮性の手提げ袋を弄る

中から
何かが詰まった透明のビニール袋を取り出す
それを苛立たしげに引き破ると
一面にまき散らした

鳩が
群がる

鳩が
群がる

女は
中身を掴み
鳩の群れに投げかける

鳩が
何かを食い散らかして飛び立つ頃
その場所には白い鳩の糞が塗りつけられてあった

女は
立ち上がり
此方に一瞥をくれて立ち去った

ちょうど
その後ろには
野点の立て札があった

真っ赤に塗られた木の板に
白で書かれた文字はこう読める

鳩に餌を与えないで

私は
驚いて女の後ろ姿を目で追いかける
姿はもう見当たらない

代わりに
少女が独り嘲笑を浮かべながら
テトテトと此方へ歩み寄り口を開く

おじさん
いっつも
同じ事
してるんだね

私は

誰なんだろう

2012/07/30 (Mon)

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