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ジョーブの部屋


[263] 大人の愚痴
詩人:ジョーブ [投票][編集]

五歳だった頃、まだかつぜつがわるく、生卵と言えずに、にゃまたまごだった頃の僕。

ある日突然それは、サンタがお昼頃に私の家に足を運んで来たんだ。

玄関が知らぬ間に開き、父が叫んだ。

「サンタが来たぞ」

五歳の僕は、四つ上の兄と一つ下の妹より速く走り、玄関を見ていた。

でかい袋が三つあり、父が抱えていた。

サンタの姿は見ていないが、ある日突然父が昔の事を言っていた。

「サンタはあれは頼むんだ。お金を払ってな」

いそいでいたのか、忙しかったのか、あとから父に聞いたけれど、ちゃんとサンタのかっこうをしていたらしい。

「へ〜そうなんだ」

袋の中身は走る電池式の電車のおもちゃだったが、今でも覚えている。物はとっくに昔のゴミ捨て場だが、

子供の頃はサンタを信じていた。

もちろん、ただでプレゼントをくれるんだと信じていたが、だがしょせんそんなにあまくはなかった。

そうだろう。この世の中昔っから、

どの時代からだろう。夢は金で買う。

どんな夢も金で買えるだろう。夢の夢まで、そのまた夢まで買えるんだろうな、

愛バイ苦(あいばいく)
『愛して別れる苦るしみ』

愛していたサンタは金だった。

2012/09/16 (Sun)

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