詩人:ジョーブ | [投票][編集] |
五歳だった頃、まだかつぜつがわるく、生卵と言えずに、にゃまたまごだった頃の僕。
ある日突然それは、サンタがお昼頃に私の家に足を運んで来たんだ。
玄関が知らぬ間に開き、父が叫んだ。
「サンタが来たぞ」
五歳の僕は、四つ上の兄と一つ下の妹より速く走り、玄関を見ていた。
でかい袋が三つあり、父が抱えていた。
サンタの姿は見ていないが、ある日突然父が昔の事を言っていた。
「サンタはあれは頼むんだ。お金を払ってな」
いそいでいたのか、忙しかったのか、あとから父に聞いたけれど、ちゃんとサンタのかっこうをしていたらしい。
「へ〜そうなんだ」
袋の中身は走る電池式の電車のおもちゃだったが、今でも覚えている。物はとっくに昔のゴミ捨て場だが、
子供の頃はサンタを信じていた。
もちろん、ただでプレゼントをくれるんだと信じていたが、だがしょせんそんなにあまくはなかった。
そうだろう。この世の中昔っから、
どの時代からだろう。夢は金で買う。
どんな夢も金で買えるだろう。夢の夢まで、そのまた夢まで買えるんだろうな、
愛バイ苦(あいばいく)
『愛して別れる苦るしみ』
愛していたサンタは金だった。