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ジョーブの部屋


[273] 親友と春夏秋冬を書いた
詩人:ジョーブ [投票][編集]

月日が過ぎて、まるで少し錆び付いていくブリキのおもちゃ僕の躰。病のせいもある、日を重ねるごとに心が重たくなる、あの頃と比べると随分と歳をとった。木の葉が落ちて季節が進む。
今の暮らしぶりだけは何も変わっていない。あの日に戻りたい、あの日から始めたい、一歩二歩と長い道のりを歩いてきた今、様々な想いと記憶に溺れそうになって、押し潰されそうになって、初めからやり直したいと思う…自分の脚で歩けなかった事が悔しくて、言葉をもたなかった幼子の時代にまで戻りたいとは思わないけれど…、あの瞬間からやり直したい、思い始めると息がうまくできなく胸が痛い。どんな風に思っても、どんなに悔やんでも、現実に戻れない、痛いほどわかってる…夢が現実今が過去。
優しい人冷たい人この歳になるまでに随分とたくさんの人に出逢った、その中で自分を大きく変えるほどの出逢いがあったのか…でも確かに少し変わってきている自分が今居る。確かに人生の道で出逢ったすべてがいまの僕の中にあるんだろう。春夏秋冬の、どの扉でもいい、今すぐにでも開けたい。頭の中のこの想い・記憶から解き放たれて、あの頃へ戻れるのなら遠くに見える『嗚呼』と、ため息だけが部屋に響く、小さくね…。また春夏秋冬の季節の扉を開けて進むんだ。扉はいつも僕の目の前にある、きっと鍵は僕自身の中にある。振り返ったって立ち止まったって、道は続いてく、あの頃あの瞬間に戻れないけど。今、この瞬間が未来を変えられる。いつだって変われる。躰は錆び付いていったって、鍵は僕自身の中にあるのだから… 今も、いつだって。春夏秋冬のどの季節からも未来をつくれる。

2012/11/09 (Fri)

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