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EASYの部屋  〜 投稿順表示 〜


[1099] 晴れの日
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世の中が便利になると
想い出が作りにくくなる

教授は
力強くそう言った


何を根拠のない事を言っているのだろうと

僕は思ったが

よく考えると
何だか妙に説得力があり

僕は
それに耳を傾けた




不景気は愚痴を言う為に必要であり
経済とはあまり関係ない

そして

愚痴を言わなければコミュニケーションが取りにくい現代人が発明したものが
便利なものである

教授はこの数式を黒板に書き
ブラックホールの秘密に迫ろうとしているのだ


僕は

この訳の分からない教授の理論に
訳の分からない心地よさを感じていた



教授は続けた



道路はロードである

あるまじき姿のアルマジロである

教授は得意気に言い放ったが

会場は静まり返っていた

少し後に
乾いた小枝が折れた様な

小さなラップ音が
会場に鳴り響いた



その音にビクッとしたのは


見たところ

教授と僕だけだった



講義の後

昼食をベンチの上で
一人食べている教授を目撃した



手作りと思われる
大きなサンドイッチを

教授は食べていた


教授は独身である

きっとサンドイッチは
自分で作ったのだろう



外はとても晴れていて
春を覗かせていた


今日が晴れで良かったと
僕は心の底から思った

これほどまでに
そう思ったのは

小学校の遠足以来かも知れなかった





僕は

訳の分からない愛しさを身にまといながら


人間の愛し方を
またひとつ知ったのだ

2011/02/14 (Mon)

[1100] 笑う哲学者
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考える事が全ての苦しみの始まりだと考えた彼は

いかに考えないかを考えたのだ

そして

彼はある時
その事実に笑ったのである

これじゃまるで
忘れたい事が思い出せないという

コントと同じじゃないかと

彼は笑ったのだ


彼は長い間
眉間にシワを寄せていたが

彼は今
笑っているのだ


あまり考えずに
笑っているのだ

2011/02/15 (Tue)

[1101] 昼下がり
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僕は今
昼下がりの外に居る


何が下がっているのかよく分からないが

とにかくこれは
一般的な昼下がりなのだ


昼下がりというのは
うんちくではなく雰囲気なのだ




僕は
昼下がりの道に居るのだ



一人のサラリーマン風の男が歩いている

サラリーマンと言うよりはプロレスラーの様な男だ

ガタイは良いし
顔つきもプロレスラーらしく覇気がある

もしかしたらプロレスラーかも知れないくらいだ



ふと僕は思った

僕は一体
彼の何を見て

彼の何を判断しているのだろうか?

僕は
少し訳が分からなくなった

プロレスラーとサラリーマンの境界線を
曖昧にする男と僕との距離は


少しづつ離れて行くのだが

僕の想像力だけは
その男に近づいているのだ

その曖昧な想像力だけで
この世界は造られているかも知れない


そんな事を
気づかせてくれたりするのが

昼下がりというやつなのだ


僕は空を見て
そう納得した



掴み所のない雲は
実際にも掴めず

それは理に叶っていたからだ

2011/02/17 (Thu)

[1102] 雲の形
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世界は
どんな形をしてて

どんな味がするのだろう




もし世界が
不平等だとしても

僕にはあまり関係ない

僕が世界を
平等に見るからだ


もし世界が
不自由だとしても

僕にはあまり関係ない

僕は世界を
自由に見るからだ




世界は
どんな形をしてて

どんな味がするのだろう




とても大きなこの空に
僕はそれを問いかけた


それを映した心の中に
僕はそれを投げかけた




僕が映したこの雲が
言葉に出来ない感情を

形にしてる雲だから


ただ綺麗なだけじゃない
美しすぎる雲だから



それより大きな心の中に

僕はそれを投げかけた

2011/02/27 (Sun)

[1103] バス
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僕はバスに乗った


目的地を運転手に聞きいた

そこには行かないと
言われたが


僕はそのバスに乗った



運転手が冷たく見えたのは

僕の心のせいかも知れない


運転手の小さなマイクが
タバコに見えて

僕はギョッとした



世の中はこんなにも
投げやりなものかと

僕はハッとした




行き先の違うバスに
僕は乗った



それはあたかも

僕の人生の様であるからだ



僕は目的地を
運転手に告げて


そこに行かないバスに
僕は乗ったのだ



外は雨が降っていて

僕の心にマッチしていたからだ

馬鹿げてはいるが
僕はそのバスに乗った


人生は目的じゃなくて
情景かも知れないと


とても思えたからだ

2011/02/28 (Mon)

[1104] 遅刻の正当化
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野球でさ

気持ちで打った決勝打ってあるじゃん


サッカーでさ

最後は気持ちの勝負って言うじゃん


幽体離脱ってさ多分気持ちじゃねぇ


ほら、仙人とかってさ
もう形にこだわらないじゃん
もう霊的な訳じゃん

多分もう気持ちだけみたいな感じ


だからさぁ

俺もね、気持ちだけは行ってたんだよ


これ逆に大事でしょ


最後に重要なのは気持ちじゃん



ラモスもそう言ってるし




時間なんか
あんま気にしちゃダメじゃん

やっぱ永遠とかのが魅力的だし

きっと永遠が真実でしょ

永遠の愛とか
永遠に続く霊的な存在とか

多分そんなんじゃん


むしろ胸張っちゃっても良いぐらいじゃない?


まぁいいや
取り合えずごめん



でも時計をあまり気にしない南国の人とかって

ある意味寛大な素晴らしい人達だよね?




まぁだから
要はごめんと言う事で



将来仙人目指します

2011/03/01 (Tue)

[1105] 生の哲学
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理解しようとする事は
怒りを静める事である

理解をしたという事は
解放される事である

理解しないという事は
苦しみの事である

理解できないという事は
怒りの矛先である

悲しいという事は
怒りの矛先ではない

悲しいという事は
理解の入り口である

嬉しいという事は
してもらう理解ではなく

嬉しいという事は
する事ができた理解である

理解しようとする事は
怒りを静める事である

悲しみというものは
理解され得た感情だ

悲しみというものは
怒りに変えてしまうより

悲しみというものは
美しさにするべきだ


それは人が手にできる
質の高い喜びだ

2011/03/01 (Tue)

[1106] 南の島
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南の島にいる僕は
もっと君と手を繋ぎ

南の島にいる僕は
今よりずっと笑ってる

南の島にいる僕は
無条件幸福だ

南の島で会えたなら
全てを包み隠さずに


君に全部打ち明けよう


南の島で会う時は
すべての誤解は晴れるだろう




僕らはみんな
そこからみんなやって来た


南の方からやって来た


そして南に帰るのさ






うまく言葉にする為に


今はただ
その場所を


南の島としておこう

2011/03/10 (Thu)

[1107] 
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命より大切なものが見える

それは


命を尊く想える
人の心だ


命より大切なものを抱えて
僕たちは生きている



それは死んでも失う事がない

素晴らしいものだ



どうか人達よ
胸を張ってほしい


悲しみの涙の美しさに
誇りを持ってほしい


死んでも失われる事のない

永遠を持つ僕たちの
美しさに気づいてほしい



あなたは何も失ってはいない


こんなにも美しい
出逢いを手にしたのだから


あなたの涙と僕の涙は
同じ成分で出来ている




この宇宙にある

美しさという感性を
形にした液体だ




僕たちには別れがある



それは美しさを具現化できる

最高峰の表現だ




僕の涙と君の涙は
同じ成分で出来ている


宇宙で一番美しいものを
僕たちは命を賭けて

表現しに来た宇宙のチリだ


僕たちはみんな
ひとつの宇宙の塊だ


あなたの涙は
永遠の別れを表現したものじゃない

あなたの涙は
永遠の美しさを表現したものだ


僕たちは宇宙の果てで
永遠の美しさとして


夜空となってまた出逢う


命を尊く思う
人の心を借りながら

僕らは今涙を流し
その手を取り合った

2011/03/18 (Fri)

[1108] 風は穏やかに吹かせるものだ
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僕は

なんの目的もなく仕事を辞めて

なんの目的もなく
また新しい仕事をしようとしている

人は生まれ変わると言われているが

僕は死んでもいないのに
生まれ変わろうとしているのだ

そしてまた
なんの目的もなく

生まれ変わろうとしているのだ

過去のいっさいとの関わりを

僕は止めたのだ

そしてこれからは
訳のわからない未来が

きっと待っているのだ


新しい人間関係を築くのは容易ではない

普通の人間なら
僕もそうだが

それにはかなりの
エネルギーを消費しなければならない


本当なら光合成でもしながら
植物の様に日光を浴びて

生きていければいいのだが

僕はそうもいかない様だ


僕にはお金が必要で
家賃も払わなければならない


なんの目的もないようではあるが

家賃を払うという目的はあるのだ

今さら大家に向かって
家賃を払わないで住まわして下さい
日光浴をしたいからなんて

口が裂けても言えないのだ

口が裂けた所で
追い出されるのがオチでもあるが



僕は死んでもいないが

生まれ変わらなければならない

それは僕の知らない所で

果たされるべき目的なのだ


だから
何も知らない僕は

目的なんかは知らないのだ

僕は
すべての過去を捨ててきたが

記憶にはしっかり留めてある

それは丁度

僕自身であるかの様に
いつもここにあるのだ

記憶ではなく
僕自身として

身に纏っているのだ



僕は変わらないものを
僕の中に持っていて

僕は新しいものを
僕の中に持っている


僕も
歳を取ったのかも知れない

意見が二つに分かれれば
どちらにも頷けてしまい

笑う事しか出来ないからだ

きっとそんな奴は
社会では窮屈なのだ


でも
釣った魚だけで飯は食えないから


新しい仕事を探すのだ



目的なんて
僕の知らない所にあればいい

笑う事しか出来ないならば

それもそう悪くない

2011/03/19 (Sat)
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