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必要以上に流線形
便利さを勝ち誇り
なんでもかんでも軽量化
薄型チップにプログラム
特化セールの想い出だ
世界が終わる訳じゃない
そう言える人が前向きで
終わった世界も悪くない
そう言える人は上向きだ
それが笑顔なら
そういう経験で
それが涙なら
そういう経験で
それが何であれ
そういう価値がある
必要以上に僕たちは
必要以上な僕たちだ
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宇宙全体に、四方八方に
在りとあらゆる点在に
張り巡らされているものが
最終的には
たったひとつのフィルターに
濾過される
記憶、想像、過去、未來
自分、他者、客観、主観
たったひとつのフィルターに
濾過される
君が空を見上げる為に
必要なものは
空じゃなくて君だ
そして
君が愛される為に
必要なものは
何もない
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感覚の取りかえっこ
僕たちは良い意味で
子供のまま
共感する為なら
大抵のことは惜しまない
僕の見える赤色を
君の見える赤色に
被せてみせる
求めなければ手に入るような
そんな崇高なもの
僕たちはいらない
求めても手に入らないものを
僕たちは求める
求めているのに
最後まで残る
ミックスナッツのアーモンドみたいだ
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夢でよかった
何度そう思っただろうか?
まだ幼かった頃の記憶には
母親の温もりを
誰もがその様に
感じるのではないのだろうか?
夢でよかった
それがたとえ
どんなに悪夢であったとしても
僕たちは安堵した
夢でよかった
そんな風に
夢の中で思うことも
希にある
そんな時でも、僕たちは
夢のことを忘れてしまう
そのことを
何となく曖昧に
誰かに話してみたりする
そんな時、僕たちは
ほんの少し淋しげに
ほんの少し不思議げに
ほんの少し温かく
これも夢だと思いだす
幼かった頃の母親の
温もりの様に
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希望という観念が
絶望という観念が
それ達を支配する
私という観念が
あなたという観念が
それ達を支配する
真っ黒な煙を
吸わんとばかりに
それ達は
咳ごんで見せるが
それも、また
吸える空気がないことの
表現にしか、ならない
しかしながら、それ達は
毎日沈んでくれる
夕日のように
美しいものでもある
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僕と君の間にあるもの
その距離にあるものは、一体何なのだろうか?
触れ合えたら埋まるのだろうか?
分かり合えたら埋まるのだろうか?
見つめ合えば埋まるのだろうか?
そもそも僕は
何処から何処までなのだろうか?
爪先から、つむじまでなのだろうか?
生まれたときから、今日までなのだろうか?
そもそも僕は
何から何までなのだろうか?
生まれてから死ぬまでなのだろうか?
そう思うことから、そう思わないことまでなのだろか?
僕と君の間にあるもの
その距離にあるものは、一体何なのだろうか?
そもそも
僕と君の間に距離など
本当にあるのだろうか?
それとも
恋をする為にとった距離なのだろうか?
それならば
それは、僕たちの秘密だ
僕たちは植物のように
その苦悩を吸って、愛を吐き出し
僕と君との間を
そうやって
埋めていくのだから
距離のない処まで
それはあまりにも
切なくも儚いので
神様の秘密だ
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それなりに歩いてみる
足はちゃんと動いているのか?
手はちゃんと振れているのか?
それらはちゃんと
交互に交差しているのか?
それなりに奇妙な感覚を
帯びながら
僕は、これらを行うのだ
歩き疲れたら
座るのだが
座るために必要な筋力の加減と
座るために必要な椅子の様なものを
照らし合わせる為に必要な思考が
ただそれを
行っているのだ
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人差し指と親指で
軽くリボンをほどく
その箱はトータルに
適度なものだ
その大きさ
その重み
その色からその形
何処を取っても隙がない
実際に開けて見せたなら
そこには何もなく
空っぽだ
だから何だと言われれば
何でもないもの
ではあるが
それが何だと言われれば
それが愛だと言ってみる
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包まれている
僕たちは
否応なしに
包まれている
僕たちは僕たちの
許可なしに
恐れることは
できない
そのことを少し
分かってみせるのは
難しいけれど
君が君でいることは
簡単なはずだ
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昼間に降りしきる雨
部屋にある
一番小さな窓を開けて
その光りと雨の音で
この部屋を満たす
時おり吹く突風が
丁度よく、それをかき混ぜて
ある特定の記憶には属さない
懐かしさを演出している
家の前の街道を走る車が
水しぶきをあげる、その音は
それぞれの淋しさや
それぞれの喜びや
それぞれの
あらゆるもののように
僕の心をすり抜けて
沈黙の様に響いている