詩人:EASY | [投票][編集] |
精密機械で測ったような
夜空の下の日常で
僕は花を探してる
大きな鏡に映ったような
得体の知れない表情で
僕は花を探してる
誰かに消された挿し絵のような
輪郭のない表象で
僕は花を探してる
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僕は酔えば
ほぼ完璧に涙を流す
その確率を導きだす
計算は嫌いだ
僕は例えば
ほぼ完璧に迷う
その正体を暴き出す
真実は嫌いだ
僕は笑えば
ほぼ完璧に笑いだす
その時、君がいないのは
僕は嫌いだ
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誰もいない、空っぽな家
とても簡潔に、整理された
平安を基調とした、家だ
それは、小高い丘の上にあり
都心から、程よく離れた位置にあり
とても晴れた昼間には
何よりも完璧な
コントラストを漂わす
上流層の一般的な
ハッピーエンドが似合う家で
静止画のような光りの中に
佇む街にある家だ
各々の部屋には記憶があり
機能性があり
感情をくすぐる様な
懐かしさはあるが
サイボーグの様な冷たさと
忘れた夢の様な切なさがある
キッチンのまな板の上には
包丁があり
何かを切ろうとしていた
形跡だけがある
家に射し込む光りが、それを
スポットライトの様に
照らしていて
光りの儚さだけを
誇張している
二階に上がると
いくつかの部屋があり
窓はすべて開いている
小高い丘の上に吹く風は
カーテンを力いっぱい靡かせて
その日射しを
誰もいないこの家で
背中合わせの両端を
言葉にさせなくさせている
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のっぺりとした表面に
反射している光りの雲は
淡い何かを打ち付けて
冬の昼間に下がってる
末期過ぎてる結末を
等分している数学者
緊迫感に頼まれて
くすぐる位置を間違えた
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君は、ぽっかりと
口を開け
ため息をついた
空は、ぽっかりと
口を開け
世界中のため息を
飲み込んだ
僕は、どっかりと
座り込み
それを
見届けた
子供に名前をつけるのは
名前のない色に
名前をつける
そんな、感じがするのかな?
子供がいなくて目も悪い
僕には
想像力しか
頼るものがない
世界中のため息を
風船に詰め込んで
飛ばしたら
綺麗に見えるかな?
君は、ぽっかりと
口を開け
ため息をついた
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いつも
背伸びばかりしてるから
足が痛くてさ
靴にだって
穴が空いちゃうんだ
そうするとさ、歩いてる時に
小石なんかを踏んで
血が出ちゃったりもして
結構、痛い
まぁ、でもさ
何とか気合いで、乗りきれちゃったりもする
乗り切る理由とか、よく分かんないんだけど
クソー!ってなったり
やった!ってなったり
するでしょ?
それは、もう理由じゃないし
よく分かんないんだけど
分かんなくても、いいやってなるし
頑張んなくてもいいし
どうでもいいし
何だっていいのに
また
背伸びしてみたり
疲れたから座るのに
また、走って見たら
小石、踏んだり
そんで、ため息とかするから
笑う暇なんてなくてさ
でも
君が背伸びして
痛そうにしてたら
僕は、裸足で走り
血だらけのその足で
君の元に行き
笑うと思う
でも、きっと
上手くは、笑えない
君の痛みは
僕のものじゃないから
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楽しさふたつ
嬉しさふたつ
濃い目の悲しみの中に
入れて
かき混ぜて、飲む
美味しいかい?
ちょっと甘過ぎた?
やっぱりブラックがいい?
高級の悲劇もあるよ
繊細なコクがある
それに喜びふたつと
切なさひとつを
入れるのかい?
このまま飲むのが
お勧めなんだけどね
まぁ、好みは
各々持っているからね
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色んなものが
詰め込まれた
とても切ない
なにか
色んなものが
映し出された
とても愛しい
なにか
それは
太陽の陽を反射した
大きな水の雫のように
この一瞬を
虹の中に飛んでいる
僕たちが
手にしたことのある
すべてのものを詰めこんで
それは揺れている
その雫が
母なる海に溶け込んで
すべてを
許してくれた
音のない旋律と
感情を超えた微笑みと
覆らない正しさで
とても愛しいなにかを
僕たちに差し出した