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EASYの部屋


[1197] 僕の部屋
詩人:EASY [投票][編集]

観念への膨大なメモ書きが始まる

生まれた瞬間に手渡された
このノートは
今や数え切れないほどの数になり

僕の部屋に山の様に積まれている


書き直したい所は山ほどあるが
山ほどのノートの中から

それを探すのは
ほぼ不可能であり

見つけた所で

この漆黒のペンで書かれた文字を
消すのは至難の技だ


最後の手段として

僕は何度も
この部屋から出て行く事を試みたが

僕の全てを捨ててしまう様な気がして
その一歩が踏み出せない


僕はその間も
何かに取り憑かれたかの様に

メモ書きをしている


外の様子は気になるが

山の様なノートは
窓さえも覆い隠す


時々インターホーン越しに
外の人との会話をするが

インチキなセールスや
怪しい宗教の勧誘にしか聞こえない

その会話さえ

この山の様なノートから抜粋してる
僕の危うさが

そうさせているのだろう


僕の部屋にはテレビがあり

メモ書きのテクニックを教える番組が
繰り返し放送されている

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そう言い放つ目は
瞳とは言い難く

必ず水平よりは少し
上を見ていて

目が合いそうで合わないのだ

僕は一度
それを注文したが

それは

驚くほど精巧な地図の描写で
目的地を設定するだけのものであった


それすら僕は
メモをするに過ぎないのだ


そしてそれは

いつかこの部屋を出るまで
続いて行くのだ



いつかは必ず
この部屋から出て行く

やって来たからには
出て行く日が必ず来るのだ


僕が僕であるが為の
山の様なノートを後にして


僕はこの部屋を後にする


そして

互いに
ノートでしか見たことのない

君に会いに

あの約束の場所へ
向かうのだ










2017/12/19 (Tue)

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