真実について
彼は話した
真実について
何も知らない人々は
彼の話しを言い伝えた
彼の話しは語り継がれ
彼の話しは伝説となった
彼の話しは本になり
絵に描かれ
家の中に
寺や教会の中に飾られた
月日は流れ
彼の話しは
そうではなくこうである
こうではなくそうである
ああでもない
こうでもないと
議論された
真実と呼ばれるものを
延々と議論したのだ
だがそれは
額縁に飾られているだけで
人々は誰一人として
その真実と言うものを
体験してはいなかった
今や真実とは
額縁に飾られた
何らかになっていた
2009/08/06 (Thu)