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鶉ック カロメリックの部屋


[28] 決別の夜明け
詩人:鶉ック カロメリック [投票][得票][編集]



捨ててしまえ

全部捨ててしまえ


おまえの中にくすぶる

多少の誉や悦楽も


才能も

夢もみんな

全部だ


一瞬のうちに閃く
雑多な記号のような
ことばも


おまえの心のすべてを




ひとつだけ残すなら


捨てる覚悟の折りに
おまえは

おまえ自身を打ち
金切り声で

目で見えぬ痛みと
共に生きる苦しさを
ずっと

自己のもうひとりの
あきらめの視線を意識しながら
ずっと

時には
あふれながら
ずっと


おまえは
ひとりで
生きていく



一つの支えしかない
喜びと苦痛は

もはや言葉では
あらわせない




おまえの中で
ありとあらゆる物を
苦痛と共に捨てることと
拾うことを繰り返して



おまえの中に
最後に
残ったものが


詩ではないんだという
真実




詩ではないんだ


2010/03/13 (Sat)

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