詩人:鶉ック カロメリック | [投票][得票][編集] |
タンポポの綿毛を
見つけては
駆け出し
おそるおそる
用水路の縁に
近づく
ねえこれは
私のだよ
でもパパがふうって
やってよ
俺は大人げなく
めいいっぱい
息をかけた
茎が一瞬
くねりもしたが
三分は残った
すごいすごい
綿毛飛んでるね
あパパのほっぺた
ふたつついてる
俺はさっきの一息が
自信のこもった
そのつもりが
一瞬ですべてが
はじける様で
子はそれに歓声をあげるはずが
あまり関心ないようだ
あパパまた
タンポポの綿毛あるよ
あこれは
パパがやって
これはわたし
子は片足を前に
ふうとして
向かい風のおかげで
お前の頭にも
ふたつみっつ
ついてるぞ
タンポポは
俺の子にちぎられて
自分の子を蒔く
お前らの
作戦勝ちだ
俺は子の楽しみに
弱いから
俺もお前らを
引きちぎって
お前らの子を広げよう
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