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ハトの部屋


[49] 空の色、その季節に
詩人:ハト [投票][得票][編集]

私はこの後きっと
あの空の色合いを
あの不思議な色彩を、光を
忘れる事はないのでしょう

「ゲリラ雪のため、ノーマルタイヤでの走行は不可能です」

そんな起伏
あの坂の上
つながる先はいずこ

冷えたハンドルを握り締めて
傾斜を始める坂を降る

溶け出しそうな朝焼けに
夜の名残を纏った雲が
まるで初めて見た世界のよう

好きないろ
嫌いないろ
あなたのいろ
私のいろ

こぼれだして
あふれかえる
いろ、いろ、いろ

しっかりと目を開いて
焼き付けておこう
時速80キロのこの空間から
通り過ぎてしまわないうちに

刻一刻と変容していくの
この景色も、ね

愚かでしか在ることが出来ないのは、不幸ですか

「この先路面凍結走行注意」

だけどこの道を通らないと
私の場所へ帰れない
し、辿り着けないのだから

スノータイヤで武装して
形の定まらない朝日を進行方向に

選択肢がありすぎて逆に不便な毎日に

向かう
さあ
行こう

この景色を忘れないうちに
この色にまだ
涙を誘われないうちに

さあ、行こう
その季節に

2007/01/10 (Wed)

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