詩人:ハト | [投票][得票][編集] |
今年は暖かくて
積もる雪もなくて
履き替えた
スタットレスタイヤは
擦り減っていくだけだね
朝、二段ベッドの下から脱け出して玄関を開けるまでが楽しみだった。透けない二枚ガラスの向こうは、雪降ってるのか、降ってないのか。私の部屋には窓がなかったから。
二月は雪が降りやすい
昨日ニュースで言っていた
今日の滋賀県北部は
曇りのち雪ですって
私はガソリンを入れに行こうと思います
夕べはさすがに
カーテンを閉めた
あの冷え込み様
目が覚めると震えていたので
笑ってしまった
ソファで寝た私が悪い
雪の日は人一倍はしゃいだ。シモヤケはかゆかったけど、かくと痛いから我慢をしてた。足の指がパンパンになって、これは悪い血が溜ってるんだよ、と祖母に言われた。お風呂でよく揉んどきなさい、と母にも言われた。痛いから触りたくないのに。
車には常に
スコップが積んである
お子様用の赤いプラスチック
お子様の私にはそれで十分
車も傷付かなくて済む
家を出る前
何かしらお菓子をくすねていく
これは非常食と言い聞かせるけど
帰ってくる頃にはもう
無いことを分かっているので
毎日が非常時
と言い聞かせる
私に
歩くと、ただそれだけでシモヤケた足が痛い。ヒョコヒョコと変な歩き方をしている私を、兄が指差して笑った。おまえもシモヤケになってしまえばいいんだ、とは言わなかった。だって私には、アトピー性皮膚炎の辛さは分からないから。
今日の滋賀県北部は
曇りのち雪です