夕空の部屋
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[311] たまに…
部屋の片隅
ぽつんと置かれた空白
一度読まれた本の山
もう一度
この目に閉ざす
同じ物なのに
前と同じなのに
…違って見えた…
変わってしまっていた
2006/11/09 (Thu)
[312] 渡り鳥
行く宛ても無い鳥が
あるはずも無い…
…大地に根をおろし
現実の中の現実…
…では、無い場所で
夢を見ている
夢の続きを観ている
2006/11/09 (Thu)
[313] 薄雲
暗闇の空に
写し出された月明かり
風に揺らされ漏れた灯
憂鬱
小さな花に降り注いだ
月の生む闇に
絶望を覚えた
僕は
ぼんやり
月を見下ろしながら
月を折った
光が闇へと移り潜んだ
…ほんの一時だけ…
2006/11/10 (Fri)
[314] 翼
空へと向かう
翼を救い捕って
空を見上げる
…羽を拾い集めながら…
2006/11/10 (Fri)
[315] 壁
蟻には
絶壁の壁
でも
猫には
ただの壁
人間には
ただの扉
でも
猫には
開けられない扉
鍵の掛った扉でも
鍵を持つ人には
誰でも開けられる
だけど
此処には誰も入れない
私だけ
私一人だけ
誰にも開けない
私さえも
鍵を持たないから
…まだ一人のまま…
外の景色
だけを眺めている
2006/11/10 (Fri)
[316] さざ波に
さざ波
桜の木
揺れる赤
溶けるように流れて
浮かんでは沈んで
落ちては消える
水面の底に
…淡さだけを残して…
2006/11/10 (Fri)
[317] 儚くとも
永久に儚く
二人は1つに…
…なれなくとも
1つの想いで
2006/11/10 (Fri)
[318] 漠然と
漠然と
過ぎ行く日々を
空白の中で
過ごしていく
2006/11/13 (Mon)
[319] 空虚
闇の中
握る手もなく
空を見上げていた
進む道もなく
影を追い掛けて
歩いていた
周りを見渡しながら
気が付いたら
影だらけ
自分が解らなくなってた
空は何処まで行っても
高く同じ色をしている
あの夢のままに
私を見つめている
私は空を睨んで
空を見渡して
また歩いていく
下を向いたまま
…空を追い掛けながら…
2006/11/13 (Mon)
[320] 小鳥
小鳥の背中に
乗っかって
駆け回る
空は何処まで広がるかな
小鳥の空は
何処までなんだろう
2006/11/13 (Mon)
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