夕空の部屋
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[591] 形代
たゆまなく
なすがままに
あるがままに
在らされるままに
願われるままに
それは
神々だけが
可能で
私たちには
あまりに無謀で
…無意味に等しい…
2007/08/06 (Mon)
[592] 無機質
人形の形
人の形を模した人形
作られたまま
人としての形
人と人間
抜け出せない
魂など入れ物がなければ
2007/08/06 (Mon)
[593] 夢見
月の白の
夜の青の
美しさまま
尊いの尊いの
問うがまま応えている
丸く儚い
人の見る月
月はやはり…
…からっぽのまま
2007/08/06 (Mon)
[594] 夢月に
月の夢
人の見る月
儚い白さ
眠る夢に
人は夢々
夜にさまよう
停止したまま
…焦がれている…
2007/08/06 (Mon)
[595] むだい
月とは
月ではなく
月なんだ
見る月
感じる月
想う月
触れた月
月ではない月達
月は月だから月なんだ
2007/08/06 (Mon)
[596] 夜の夢
引き出しの中
奥の机
膝枕
夢の続きの
月の夢
儚く青い
夜の夕べ
朱に混ざった
汚れ無き
朝靄の中
空は
やんわり
赤い顔をした
懐かしんでいた
夕べの夢の
儚き月を
…照らし描いて…
2007/08/07 (Tue)
[597] トモニ
焼け落ちた肌と
ただれきった魂を
海へ掬い問った
鼓動はひとしおで
涙は空覚めた
月が泣いていた
木陰で
人々は笑いながら
無意味に
愛を囁きあった
歌を唄った
神の詩
なにもないことだけが
私を支配している
無地の本には
一行
「何処にも何も無い」
ただそれだけが
空白に色を
無価値に置き換えて
何処は何処だろう
ここは
ここには
冷たい死体だけが
息している
2007/08/12 (Sun)
[598] なつかしげに
たわむれの
なつかしみとは
円の外
さざなみと
日陰に暮らしていた
遠巻きに
ことあることに
ことあるに
ひとり灯火
囲いし夜を
過ごしていた
夜は覚めない
目覚めない
月は消えたまま
佇んでいる
月に揺られながら
形の無い
壊れたまま
不格好に
くたびれたまま
触れられない
既に、壊れているのに
壊れそうで
突然の凪に
蝶が舞った
水面には波紋
影が口を閉ざしていた
2007/08/12 (Sun)
[599] 疲れ
欠けた
欠片
停まった、欠けた
後ろを向いて
後ろを前に
笑って寝ころんで
寝ころんだ
寝ころんだら
唄が聞こえてきた
2007/08/13 (Mon)
[600] 足先
こぼれた…
…これは必然か?
落ちた…
…これは当然か?
散った…
これは形を失ったのか?
舞った花に
舞う花びらに
みずからの足下に
2007/08/13 (Mon)
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