過ぎ去らない過去を
今も手に余らせている

だれかいる

だれもいないよ

だれもがいるのに

どこにもいないよ

ずっと

だれもいなかったよ

入れ物に

その底に

この体に

焼き付いた赤

しすがな月

遙か彼方

地平線

ゆらぐ水面に

その影に

隠れて

隠さないで

時計の針は歩み続けて

この手のひらで

もっと悲しいモノは

もっと深くにあって

もっと綺麗なモノで

ここからは手に届かない

だから

沈んで行こう

深くへと

遠くへと


もっと近くに
あるって
この手で解るために

…繋ぐんだろうね…

繋がり

途絶えて

箱庭で

変わらぬ今

変わり行く今

滅びゆくのに

心の音は噤まれ

声をあげる

必然と

偶然が重なり

いくどとなく

幾度も

終わりへと向かって




始まりは終わる

散りばめた

夢々

ひとつ。ひとつ。

始まり

終わり

揺らめいている

凍り付いたままで


なにも映らない

この道の上で

…すれ違っては
遠のいていく…

まだ来ぬ今も



形もないままで

筆を取り

ペンを置き

色を措く

なぞらずに…
…飾らずに

なんとなく

消しては重ねていく

その上で泣く

空を無視して

線を越えて

たどり着ける今は

たどり着けると

ただ思って

壊していく

…その果てさえも…

夕べ見た

でも

思い出せない


誰が誰を

何が何を

どうしたくて

どうしようとして

どうなったのか

開ける瞬間まで

辿り着けない

そしてその度に

姿を変えて

上には上が…
…下には下が

今は何処にいて…
…前は此処にいて

おかしいみたい
おかしくはないけど

すべてがズレていて

何故か嘘の顔をしていた

知っている

未来が在って

向かっていく

でね

そのたびに

決めていく

なんどめでもいいけど

決められたんじゃなくて

決めて行こう

そのたびに

すべては変わっていくよ


そうやっていくうちに

全てが輝けるように

繋がっていくって信じて


また歩けばいい
考えればいいから

行こうよ

いつかの日の
明日の為に
今日を生きよう



正しくはなく
間違いでもなく

その度に知っていこう