夕空の部屋
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[871] 月花
水面の花に
散る逝きも
彼方
遥か空
雲掴む夢
静けさこそ
真の現
儚き音に澄み航る月
2009/05/04 (Mon)
[872] 外
ここには
なにもない
欲も情も言葉も
映し出されているのは
…自分以外…
そこから産まれる
私が私になる
ずっと離れた処で
私は初めて私になれる
2009/05/06 (Wed)
[873] 青夜
夜空
青空
雲はなく
夜に目覚める
起きたての空
何も写さない
誰にも映し出されない
2009/05/06 (Wed)
[874] 次ぎ
ずっと
夢
最初の隣
始まりの後
未来の手前
終わりなき夢の後先
夢の続き、『刻限はなく』
2009/05/06 (Wed)
[875] 逹
空白の形
形からの生誕
用意されていない
容易
後で始まる
無色の隙間
…蟻が横切っていった…
2009/05/06 (Wed)
[876] 私逹
私でない私を
どう扱っていいのか
どう扱いたいのか
今どう在るのか
どう有らされているのか
どうしたら
私のまま私で在ろうか
切り離そうか
どうしたものか
私という私で
2009/05/06 (Wed)
[877] 月の雫
水を汚した水が
空へ
帰って行った
僕はまだ
空を見上げて
見上げられないでいる
…この瞳には何も…
雫は融け…まだ雫で…
水面の底へ
と
流れ溺れていく
『…月を隠すように…』
2009/05/06 (Wed)
[878] 移り気
光の加減
月の方向
海の場所
場所の場所
水の棲み
揺れ動く
廃墟の片隅
破片が散らばっていた
2009/05/06 (Wed)
[879] 沈黙
くすんだ
くずれた
足を滑らして
あわよくば
影を覆い
そして
…沈黙は守られた…
2009/05/06 (Wed)
[880] 視
覗きこんでみた
瞳に照らされ映った
瞳の先へと
足を踏み入れた
ひっそりと綻びを作って
目を凝らさず
奥を写し映す様に先へと
…足音だけがここにいる…
2009/05/06 (Wed)
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