呼吸する

息を閉ざして

融合する

鼓動は深く

テンポは軽く

高くを見上げる

瞼に灯に、孤独な月に



『…その奥底で…』

歩いていく
此の影を

足を緩めて
息を沈めて
畔に立つ

ゆっくりと
細波を
光と風に
分けるように
風を逐う

背を向けて
その奥を覗き込む
影に隠れた
月を観る様に

その様を視る
白紙に線をなぞる様に
息を止めて

後はそれから
跡になる
産まれ逝く
空白を遺して

それが
その域
つかぬ間の
呼吸を留めて

影の
形を作る
それがその詩
光を灯す
ヒトトキの間の未来

空白の間を
見つめている

広く深く
試みている

滴る雫をそっと
水面に落とすみたいに

そのように
注意深く

それでいて
遠く
…重なる様に…

見てるモノ
も
違うのだから

見られてるモノ
も
違うはずでしょ

…どうしたの？…

どんな風に書かれても

それには
その意味がある

よりその意味を
強める為に込めるなら

誰もが認識出来る
形がいいのだろうけど


より曖昧になってしまう

不完全を集めて
完全を作り出す
…不完全の完成…

完全は
不完全により
…完成とされる…

不完全な偽物として
完全となる
…矛盾こそ完成している…

その言葉で
全ては完結している
完成している

終わっている
言葉にしなかった
それさえ
既に統べて
言い表している

…後は飾りに過ぎない…


始めから
思考は完全で
めかし込む事で
不完全にしてみるだけで
それ以外は
…余分なモノに過ぎない…


足りてないとしたら
それは
あなただけのモノ
私以外のモノ


視る事は
知る事で
見えない部分をも認識る


変化は
常に行われている様で
完成されている

つたうように

きりぎりと

ともしびをともしていく

こぼさないように

ゆっくりと

あしをしのばせて

いっぽんずつ、いっぽずつ

水に咲く

月明かりに

そっと

息を止めて

こぼす涙

銀色に

染めて

あの月へと

還して

あげましょう

…潤うようにと…

明るい方
闇に向かう

月に隠れて
水面に潜んで

揺れて濡れて
雨音、波紋

クサビに繋がれて

心想う情(こころ)その岬で