たわむれのなつかしみとは円の外さざなみと日陰に暮らしていた遠巻きにことあることにことあるにひとり灯火囲いし夜を過ごしていた夜は覚めない目覚めない月は消えたまま佇んでいる月に揺られながら形の無い壊れたまま不格好にくたびれたまま触れられない既に、壊れているのに壊れそうで突然の凪に蝶が舞った水面には波紋影が口を閉ざしていた
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