詩人:Bob | [投票][編集] |
井の中のかわず
大海を知らず
井の中のかわずは
せまいせまい井戸の中で
1番なのだと思ってる
己の大きさを過信して
井の中のかわずは
ひろいひろい大海に出たらそこで何を思うのだろう?
己の小ささを過信して
そこにあるのは
失望か?落胆か?
大海に昇る太陽は
かわずに何をみせるのだろう?
恐怖か?絶望か?
そこにあるのは
希望であってほしい
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しっかりと繋ぎとめていたはずの君と僕との関係
でも実は…
掛け違えていたボタン
必死でとめ直す
このかじかんだ手
君の手を握っていた
あたたかいはずの手
でも実は…
君の心をつかみとれていなかった
かじかんだ手じゃうまくとめ直せなくて
流した涙は寒さで
凍りつき
溢れた想い出は切なさで
凍りついた
二度と溶けない氷を
落としたら粉々に割れてしまう氷を
かかえて
僕は歩きだす
ボタンは全部
ひきちぎって…
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どぉやらあたし忘れ物してきちゃったみたい
ダメだね
想い出がいっぱいつまったあの部屋には
もぉ行かないって
決めたのに
あなたとは
もぉ逢わないって
決めたのに
それなのに
こんなに大切なモノ
置いて来ちゃうなんて…
そろそろ取りに行ってもいいですか?
あなたのすぐ傍に
忘れて来ちゃったあたしの
“恋心”
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私はいったい
なんのために産まれて
なんのために生きて
なんのために死んでいくのでしょう?
私が産まれる事で
母が父が祖母が祖父が
喜ぶというのなら
私は
いくらだって産まれよう
私が生きる事で
誰かの支えとなり
誰かが
幸せになるというのなら
私は
いくらだって生きよう
私が死ぬ事で
世界の秩序が
守られるというのなら
私は
いくらだって死のう
私のすべては
家族のために
私のすべては
愛する人のために
私のすべては
世界のために
私のすべては
私自身のために
捧げよう
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なんで自分の身体に
穴をあけるの?
なんて人は言うけれど
あたしの場合
自分が嫌いだから
開けたくなるの
何か変えたくて
開けたくなるの
初めて開けた時
立ちくらみがした
三つめを開けた時
涙の中嘔吐した
五つめを
軟骨を開けた時
叫びのたうちまわった
何かあるたび
増えていく穴の数
苦しみから逃れたくて
増えていく穴の数
とりあえず今は
五つ
けどきっともうすぐ
七つ
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こんなにも
あたしはそばにいるのに
あなたは言う
『孤独だ』
そんな事言わないで
あたしまで
『独り』
になってしまうカラ
あなたが『孤独』なのは
あなたが周りを見ようと
していないから
あなたが『独り』なのは
あなたが誰にも心を開こうとしていないから
こんなにも
あたしそばにいるのに
それでも
あなたは言う
『孤独だ』
あなたの隣にいる
はず… なのに
あなたへの距離は
すごく… 遠かった
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春が来て草花がざわめき
蝶たちは舞い踊る
夏が来て太陽がてりつけ
水しぶきが舞い上がる
秋が来て木枯らしが吹き
色付いた木葉が舞い散る
そして
冬が来て世界は色を失い
粉雪が僕の体に舞い積もった
すぐに僕も色をなくした世界へ溶け込んでいった
あと一年
そう告げられた時
僕はもがき、あがいた
あと半年
カレンダーがめくられるたびに
僕の心は落ち着いていった
あと一ヶ月
残された時間はもうない
けど人間として残された仕事はもうない
あと一秒
外に飛び出し
僕は倒れ込む
雪が僕を隠してくれた
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ゴミ箱がほしいな
このぐちゃぐちゃな気持ちを
捨てられるゴミ箱
二度と同じ想いをしないですむゴミ箱
悲しい気持ちも
苦しい気持ちも
つらい気持ちも
嫌な想いぜぇんぶ捨てちゃうんだ
でもそれを繰り返してたら
きっと嬉しい想いもなくしてしまう
嫌な想いがなければ
嬉しい想いも
嫌な想いに変わってしまう
そしたらきっとまたその想いも
捨てるんだ
いつか自分自身さえ捨ててしまう
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寂しくて 切なくて
家にはとてもいれなくて
ビルの裏の駐車場
たった一人でそこにいた
そいつはそんな俺に向かって 一声鳴いた
「にゃあ」
あぁなんだ 黒ネコか
そこで初めて
自分以外の存在に
目を向けた
そのネコの瞳には
満たされることのない月
だけが映っていた
俺の瞳にも
一部が欠けた月
だけが映ってるんだろうか?
ビールの空き缶は
歪んだ俺の顔を
映し出す
歪んだ俺の瞳には
何も映っていなかった
今日は新月なのだろうか?ふと上を見上げる
あれ?…満月だ