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Bobの部屋


[64] カーネーション
詩人:Bob [投票][編集]



手に握った一本のカーネーション
貴女の前に差し出す

花の香りは線香の匂いに掻き消され

モノトーンの世界にポツリと咲く紅色



家に帰って炊事場に目がいく

もぉ包丁の音は聞こえてこない

一昨年あげた百均の造花のカーネーション

去年あげたコンビニの造花のカーネーション

いまだそこに飾ってあった



今年こそは…

それなのに貴女はもぉいない


どぉして貴女が生きているうちに花の一本もあげなかったんだろう?



約束だ

年ごとにカーネーションの花の数一本ずつ増やして
毎年この日はここにくるよ

灰色に紅色を添えにくるよ

 

2006/05/14 (Sun)

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