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千波 一也の部屋


[1032] ひとのにおい
詩人:千波 一也 [投票][得票][編集]


ひとの

においの

消し去りかたは

夢を断つこと

きっぱり、

断つこと


けれどもそれが

叶わぬならば

甘えていなさい

ひとの

においに

その温もりに


まだ見ぬ

すべてのものごとを

ひとは呼びます

夢だ、と

呼びます

けれども信ずることなかれ

それらが

叶わぬものごと




ひとの

においは

けもののにおい

いのちに惑い

いのちに

すがる

だれにも裁けぬ

真摯な

におい


ゆめゆめ夢に

飲まれるなかれ

されど

うつつに

ひれ伏すなかれ


精一杯に、

精一杯にあらがってこそ

挑んでこその

好き好きで

あろう


語るものには

語らせておけ

それが

まったく

ひとの

においと

危ぶみながら


2011/08/02 (Tue)

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