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千波 一也の部屋


[1062] しゃぼん玉
詩人:千波 一也 [投票][得票][編集]


できるかぎりの優しさで

息をおくって

あざやかな

卵のひとつひとつに

そらを託しました



そうして

いかにも幸福そうな

幽閉は

繊細に

消えるのでした


ことば以外の

ちからによって

いかにも幸福そうに

消えるのでした



あざやかな

そらの向こうを

とべないわたしは

きょうも卵に託します

半ば強情な

優しさで


2011/08/27 (Sat)

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