ホーム > 詩人の部屋 > 千波 一也の部屋 > 鳥の巣

千波 一也の部屋


[1064] 鳥の巣
詩人:千波 一也 [投票][編集]


鳥の巣を

憎らしく見つめた夕暮れに

山の向こうで落雷があったという



鳥の巣の

落下をねがった昼下がり

無人の家屋が荒らされたらしい



鳥の巣が

天敵に襲われるさまを夢想した夜

わたしは微熱に見舞われた



鳥の巣に

試しに小石など投げつけた朝

空には晴れ間が見えてきた



鳥の巣へ

親鳥がもどる夕暮れに

わたしは長々電話の途中



鳥の巣と

関係のない日のあれこれが

あちらこちらで雛となる



2011/08/29 (Mon)

前頁] [千波 一也の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -