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千波 一也の部屋


[1067] かなしいさかな
詩人:千波 一也 [投票][編集]


水の

こぼれ落ちる音が、すき


みずしらず、な

はずもないのに


わたしはまったく

かなしいさかな



水が

なくのを

聞いたことがない


そのくせ

わたしは過ぎて

いく



水も

わたしも

きれいが、いい


理由は

おのおの違っても



水を

わたしは

飲み干せない


飲み干せたなら

溺れない、

のに



水に

なれない

わたしはさかな


すべてを

言葉のせいにして


わたしはひたすら

守られたがる



2011/08/29 (Mon)

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