水のこぼれ落ちる音が、すきみずしらず、なはずもないのにわたしはまったくかなしいさかな・水がなくのを聞いたことがないそのくせわたしは過ぎていく・水もわたしもきれいが、いい理由はおのおの違っても・水をわたしは飲み干せない飲み干せたなら溺れない、のに・水になれないわたしはさかなすべてを言葉のせいにしてわたしはひたすら守られたがる
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