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千波 一也の部屋


[1100] 粘土
詩人:千波 一也 [投票][得票][編集]


粘土で

象をつくったら

「可愛いきりんね」って

誉められました


たこ風味の

おかしな生きものをつくったら

「足が多いよ」って

注意を受けました


気ままに

まるをみっつ並べたら

「なにがしたいの」って

責められて

「こうしたらお団子よ」なんて

手本を示されました


がっかりしたし

いらいらしたし

悲しくもなったけど

なんにも言いません

言えません


そのかわり

粘土をつぶす力が

強くなりすぎるけど

粘土は黙って

こわれてくれるのでした


何度も

何度でも

こわれてくれるのでした


2011/10/16 (Sun)

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