わたしの何かを湿度はさらうそれが具体的には何だったのか思い当たらせぬまま湿度は最低限の言葉だけを無造作に配置して汗ばむわたしを黙視する得たつもりでいたものがしずかに綻び始める頃わたしはようやく何かに思い当たる秒針の滞りない刻みのなかで
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