ホーム > 詩人の部屋 > 千波 一也の部屋 > 南風

千波 一也の部屋


[1159] 南風
詩人:千波 一也 [投票][編集]


橋の途中で車を停めて

海風のなかを

歩いた


きみの

髪が揺れて

ワンピースの裾が揺れて

ぼくは

なにを撮ろうか

どうやって撮ろうか

しろい光に

汗かいて



橋の下には

青い海がただ広がって

空との境を

拒みもせず迎えもせず

ただ広がって



きみは

待っていたんだね

海風にまつわる

香る日を


ぼくも

待ち続けていたんだ

真っすぐに続く

青の日を



橋の途中で車を停めて

海風のなかを

歩いた


待つことをしない

待たれるだけの

やさしい島で



2012/08/30 (Thu)

前頁] [千波 一也の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -