ホーム > 詩人の部屋 > 千波 一也の部屋 > ふ・た・り

千波 一也の部屋


[1188] ふ・た・り
詩人:千波 一也 [投票][編集]


つぼみのままで

いたいなら、

それも花だと

そよぎましょう



まだとけきらない

雪の小村も

あなたが

春だと云うならば

うなずきましょう

わたしは細く



暗く、

おもたい横顔も

あかるい星の

通りみち

わたしは黙って

見つめていましょう

ねがいを

きっと、託しましょう



やさしさだけが

取柄だ、と

いついつまでも

わらっていましょう

つよさ、の意味が

訪ねてくるまで



ふれた指から

はじまる笑みなら、

そこに

言葉があるのでしょう

読めないものも

聴けないものも

迎える日々が

愛、なのでしょう



とまったまま、で

いたいなら

それも風だと

うたいましょう

あなたの背中で

憩いましょう



2012/11/26 (Mon)

前頁] [千波 一也の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -