詩人:千波 一也 | [投票][編集] |
のぞまれない悲しみは
きっとある
のぞまれない優しさも
きっとある
ひとつ残らず
のぞまれなくても
わたしはここに
立っている
言えず終いの
いたわりがある
言えず終いの
いつわりもある
言えず終いが
わたしのくせなら
つぎこそ言おう、と
思いはつづく
空には流星
知られていても
知られなくても
海には汽船
聴かれていても
聴かれなくても
さびしい明日はきっと来る
まばゆい明日もきっと来る
わたしが
わたしを辞めないかぎり
明日の意味はわずかに
重い
叶えられない温もりが
ある
叶ってしまう冷たさも
ある
まちがえた数ばかりが
わたしを為さぬよう
わたしは呼吸を
かさねてる