ホーム > 詩人の部屋 > 千波 一也の部屋 > 千代紙

千波 一也の部屋


[1200] 千代紙
詩人:千波 一也 [投票][編集]

幼い日々が
やわらかく在ったのは
いつわりごと、が
易しかったから

不器用な手に
添われていたから


ひとつひとつの横顔は
おぼろ気だけれど
ぬくもる匂いは
きえ去らない

わたしのなかの
幻灯機


ひかりの粒を
寄せあつめたら
おもても裏もなくなるね

昨日は、あした
明日は、きのう

いろを極めた
影たちがつながる


華やかに
ことばを紡げたら、と
願いごとの続く限り
幸せはとぎれない

たよりなげな指たちが
とじては咲いて
咲いてはとじて

息吹は
おわらない



2013/02/06 (Wed)

前頁] [千波 一也の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -