ホーム > 詩人の部屋 > 千波 一也の部屋 > 瑠璃

千波 一也の部屋


[1201] 瑠璃
詩人:千波 一也 [投票][得票][編集]

ささいな言葉を宛てるにも
勇気がいります
愛ならば


企まないで
ほしがらないで
ただ真っすぐに仰げたら

空は
味方につきますか


かぜに誘われて
かぜに残されて

かぜに守られて
かぜに責められて

願いごととは程遠く
透けてゆきます
なにもかも


人から人へ渡るのは
とこしえの海

記憶に
頼らざるをえない
まっさらな
球形の



引き潮とも
満ち潮とも分かちがたい
まばたきの間の
しずくでしたね

思えば
だれしも


つとめて静かな優しさが
尖りませんように

気弱な底が
傷をかさねませんように


言葉すくなく語るにも
ひかりが要ります
夢ならば


2013/02/06 (Wed)

前頁] [千波 一也の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -