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千波 一也の部屋


[580] 夕陽が堕ちる
詩人:千波 一也 [投票][編集]


もともと

あてになる眼ではないけれど

それでも

夕陽の色彩くらいは

心得ている



川辺は 減速を始めている

木立は 瞑想を始めている

鳥達は 安息を始めている

あきらかに夕陽の時刻



あしたへと向かうはずの赤は

わたしの知らない方向とは

逆へ


真逆の道へと向かっている




夕陽が堕ちる


ともなって

わたしの行く先は

まだまだ 

過去


絵はがきとして

誰かに渡っていったはずの

過去



夕陽が堕ちる


わたしは

まだまだ眠られない



2006/09/09 (Sat)

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