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千波 一也の部屋


[602] 淡い味だね
詩人:千波 一也 [投票][編集]


君は変わったね


同じことを君が言い出す前に

キスをしよう


全てが始まったあの日を眺めながら

全ての終わりを語る唇を

塞いでしまおう


傾く船にはもはや 救いの手立てが無くて

僕はただ

僕だけを救っていたよ

何が望みだったのだろうね



映画のあとにはいつも

君を強く抱き締めて

ドリンクの氷は

音も無く溶けていた



胸によみがえる響きは一つも無いよ


吸いかけのタバコが

鋭い無音で灰を落とす

毛布の色が今夜は妙にあたたかい



僕が眠るまでそこに居て

君はおぼろに

そこに居て



冷蔵庫の中身はご自由に

淡い味かも知れないけれど


冷蔵庫の中身は

ご自由に



2006/09/09 (Sat)

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