ホーム > 詩人の部屋 > 千波 一也の部屋 > 冷たい雪の降る夜に

千波 一也の部屋


[639] 冷たい雪の降る夜に
詩人:千波 一也 [投票][編集]


冷たい雪の降る夜に

わたしのからだは凍えてゆくから

わたしのからだは

小さくなる

わたしはわたしを抱き締める



冷たい雪の降る夜に

わたしのことを

わたしのほかに

包んでくれた誰かのことが懐かしい



あたたかさには

種類など無いのかもしれない

それほどまでに

わたしは小さく

わたしはよわく

仕方のない命であるのかもしれない



冷たい雪の降る夜に

凍りつくわけでもなく

果てゆくわけでもなく

わたしのなかに

確かに宿るあたたかさを

わたしは

見つける



わたしをここに

成り立たせている

かけがえのない守りを

そっと

知る


2006/09/09 (Sat)

前頁] [千波 一也の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -