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千波 一也の部屋


[661] 絵葉書など
詩人:千波 一也 [投票][編集]


宛てたい心があります


傍目には

いまさらでしょうが

いいえ

いまだからこそ



伝えたいことは簡単なのに

前置きが長すぎて

床に散る便箋は増えるばかり

傍目には

綺麗な足元かも知れませんね



もう何度目かのペンを走らせながら

あすは何処へ赴こうかと

ぼんやり思います



きのう

はじめて風景写真を撮りました

それは

とても綺麗で

こんなふうに微笑んでいたのですね

私たちは



あすにでも絵葉書など差し出そうかと


手紙は

終わりそうにもないし

写真は

なんだか筒抜けになりそうで

それゆえに

私の居所とは全く関係の無い

けれども

私のこのみを如実に表すような

絵葉書など



あなたは

隈(くま)無く探してくれるでしょうか

約束はなくとも

健気にきっと

あなたなら

私を




優しさは思い出となるにはまだ遠く

そんな心を隠すように

絵葉書など


たとえ見透かされても




宛名は美しく綴ります

指先に

ちからを込めて


美しく


2006/09/12 (Tue)

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