詩人:千波 一也 | [投票][編集] |
人それぞれに歩みは異なり
知ってか知らずか
寄り添い或いは遠ざかり
ときには
いずれが頭であるのかを迷いながら
もしくは迷われながら
人それぞれに
異なる歩みは終わらない
かくして蛇行は
かならずどこかで
重なり
交わり
その一点は出会いと呼ばれ
人それぞれに異なりを覚えゆく
そうして
蛇行は
とどまるはずもなく
いたみと優しさと温もりと
人それぞれにわかれを歌わせながら
異なる流れをめぐりゆく
遙か
頭上をゆく風の尾をつかまえた気で
偶然という名を与えるべきか
必然という名を与えるべきか
こころのままに
揺れてみるといい
その
無理のないかたちにこそ
豊かな意味は
あるだろう
ごらん、
人それぞれにひたむきに
異なり続けてゆくかたわらに
花は揺れて咲き誇る
かならず
決意も希望も情熱も約束も
人それぞれの
てのひらのなかで
夕焼けいろの流れを為して
あすへの想いに
ひとつとなる
人それぞれに歩みは異なり
人それぞれの蛇行のあとには
気まぐれな風が
降りるだろう
ささやかなものたちを
ささやかに奏でながら