詩人:千波 一也 | [投票][編集] |
呼び鈴が
鳴り続けている
きのうから
きのうまで
呼び鈴は
鳴り続けてゆく
永遠に
永遠を崩さなければ
永遠は微笑まない
それだから
呼び鈴は
なおも
不在を確かめる
管弦のなかで
円舞のなかで
きょうではなく
あしたでもなく
ただ
きのうのためだけに
祝杯は
絶え止まない
拍手喝采のなかで
時計はいつも
過去を進む
誰のための客人であり
誰のための主人であるのか
知らないままで
済まされてゆくことから
順番に
知りうるさなかで
失い続けるならわし
まぼろしにも真偽はある
あばきながら
あばかれながら
存在はせわしなく
不在を往くのだろう