鳥居に菊花を吊るしたら砕ける桟橋傾ぐ舟手鏡ぬぐえば小太刀まばゆくたちこめる宵群がる灯篭座頭の爪弾く琵琶は千年雀の遊ぶ鳴子はこがね雲居をながれる琴の音ならばせせらぐ川面に満ちてひさしく舞う鈴の音に身を尽くし澪標こそ待ち人のかげ舞う鈴の音に道標扇をかえせばいざないの波日傘はほころぶけなげな芳香編み笠ひとつ小石にゆるせばむらくもの笑みやわらかな風舞う鈴の音に身を尽くし舞う鈴の音に語り部はなる
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