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千波 一也の部屋


[743] 漆黒
詩人:千波 一也 [投票][編集]


かりそめをながく着て

寝所のすみに

けがれを

灯して


目をつぶるから

ほこりがつもる

目だけを頼れば

いしにつまずく



なぞるだけでは

かどが立つ、




わかつためには

わすれるためには

えがいて消して

久遠の、





燃える陽も燃えた月も

ひとをつれては

燃やされて

ゆく


雨が

ひたすらに

顔を隠すわけは

かばうべき布のため



一枚のための一枚として

さくらの御名は

舞い降りて、

散る


土へとかえりゆく途が

ひとつの樹なら

枯葉のかげも

あたたかい



塗り込むすべは白のまま

うがつうつつに

渦巻くしるべ、

漆黒をさす

2007/01/06 (Sat)

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