詩人:千波 一也 | [投票][編集] |
わたしの水は干からびる
あなたが逃げた
ささいな
謝辞に
わたしの水は追いかける
あなたがこぼした
祈りの岸から
わたしの水は溢れない
あなたがなくした
なみだの代わり
波へと寄せて
いますぐに
つながるための魔法は遠い
忘れたければ忘れなさいと
いちばん近くで
はぐれ通して
消えてゆくことを
どこまでなぞりゆきますか
消してゆくというのに
そのうえに
なお
わたしの水は契らない
あなたがその手を
千切らぬように
やさしく
とけて
わたしの水は知っている
あなたがあなたを
見つける日々も
見つけぬ
日々も
ふしぎをさすらい
いのちは揺れて
わたしの水は
まだまだ
そこか
ら
わたしの水は