詩人:千波 一也 | [投票][編集] |
透き通る石が相手なら
わたしの瞳もまもられそうで、
こころゆくまで
あずけて
うるむ
そんな夜には
ゆびも優しくなれるから
ゆめをすなおに飲み干して
爪は爪のまま
自由はいつでも自由のために、
あやまるための哀しみを
そこには寄せず
わたしの灯りは小さいけれど
果てなきうみのさかなのように
およいでくれた
水晶のこと、
それは
おどろきではなく
はかないものでもなく
おそらく不思議をつなぐもの
みごとなひかりに誘われて、
懐かしさを越えるための
その奥へ
ともに遊んで
ともにけなげに
月のたもとでとけてゆくまで
まぼろしの手前の
言葉をえらぶかたわらに
あなたの瞳をえがいてみた、
ふと
そこに持ち合わせたこころの名前は
透き通る石のなかで
ほほえみに染まるから
いつかきっと、
その続きもそっと
しなやかな遠くまで
待つためだけに
逃げてゆく
すべての隙間にこぼれて澄んで
水晶になる、
つるぎも
星も