詩人:千波 一也 | [投票][得票][編集] |
傘のしたでだけ
降り続ける雨がある
強弱では語り得ない、それ
交差点を渡る黒たちの
はじまりの日は
白だった
或いは
今も
嘘とほんとを
分けたがるけれど、みな
太陽をもとめることと
雨雲を祈ることとは
等しくないから
まったく同じ
知らぬまに無理を働いて
こころは眠る
それぞれの
夜、に
(聞こえるものが
(多すぎるということ
(見ることは
(たやすくないということ
(話したそばから
(縛られてゆくということ
自由を知らないことで
いのちは
ことばと
むすばれる
夢のなかでだけ
傷つき止まない国がある
難しく
かわしたつもり、の
夕陽の数だけ
よくある話の片隅で