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千波 一也の部屋


[827] ライト、ライト、ライト
詩人:千波 一也 [投票][得票][編集]


正しい人は

どこにもいないけれど

正しさを求める人は

たくさんいるね


むずかしい顔はやめにして

軽く、

答のようなものを

肩に乗せてみるのは

どうだろう



きみの知る雨風は

ぼくのそれとは重ならない


たとえば

明かりを必要とする夜のひと粒が

一枚の景色としてめぐるように

それは

だれにも責められない

不安のかたち


はじまりを知らない音楽のような

もう、

笑うよりほかに

すべなど無いような

強固なかたち



正しい人はどこにもいない

正しいことなら

空席のまま


軽やかにいつも

孤独のつもりと戦いながら

きれいな逃げ道に

なってゆく


はずむ、

明かりは短いとしても

そういうふうに束の間に

追いかけることで

すこやかに



 ライト、ライト、ライト、



きみが

きみである理由を言ってごらん

ぼくは

それをひとつ

頂戴するよ



2007/09/11 (Tue)

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