詩人:千波 一也 | [投票][編集] |
水面はしずかに
うそをつく
その
うちがわに包む
かすかな声を
時間の
呼吸
を
ひとに
こころに
えがかせて
完全なる傍観者として
何ひとつ
あばかれない
水面は
ひかりだ
そして同時に
暗がりでもある
わたしの日付が
わたしだけの物となることも
欠落することも
付加されることも
歴史、という
奥深いたやすさに
絶え間なく
たゆたう
ように
寂しさ、
わずらわしさ、
はじまり、
分岐、
夢の
形をなさない有形が
おそろしさであり
美しさでも
あるから
水面は
とまらない
何度でも
夜を呼ぶだろうわたしを
とうの昔に
運び終えている
水面たるため
ひそかに
水面は